Implant インプラントによる治療とは
インプラントとは
失ってしまった歯に代わる「第二の永久歯」
インプラントによる治療で噛める喜びを感じて人生を豊かに

インプラントによる治療は、虫歯や歯周病などで失ってしまった歯の代わりに人工歯を入れる治療です。顎骨にインプラントという人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を固定して噛み心地や見た目を回復します。
インプラントの歴史は古く、大昔のローマ時代から使われていたといわれています。現在使われているインプラントは50年ほど前に作られ、改良を重ねて高性能なものへと進化して世界中で使われるようになりました。
インプラントによる治療は自分の歯のような快適な使い心地を再現できるので、乳歯や永久歯に続く「第三の歯」や「第二の永久歯」といわれることもあります。機能性と審美性に優れているため、歯を失って行動が制限され、食事や会話を思うように楽しめなかった方は、この治療によって不自由なく行動できるようになり生活に豊かさが戻ってきます。
インプラントによる治療を行なうと、以下のようなことが可能になります。
- 入れ歯では食べにくかった歯ごたえのあるものを食べられるなど、食べるものが制限されず食事を楽しめる
- しっかり噛むことにより偏りのない栄養バランスのよい食事が取れるので、健康を守れる
- 左右の歯でバランスよく噛めるため残っている歯で無理に噛まずに済み、歯が長持ちする
- 入れ歯のように取り外す煩わしさがなく、外出や旅行を気軽に楽しめる
- きちんと発音できるので会話を楽しめる
- 口元の見た目がよくなり、自然に気持ちよく笑顔になれる
このように、インプラントによる治療なら快適な生活を手に入れることができます。歯を失ってお悩みの方は、インプラントによる治療により、新たな人生に向かって一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
歯をなくしたまま放置しておくと…
歯が抜けてしまった後はすぐに不具合が出てくるわけではないことから、そのまま放置してしまう方が少なからずいらっしゃいます。
歯は1本ずつがお互いを支え合うことによってバランスよく機能し、噛む力を引き出しています。そのため、たった1本の歯を失っただけでも、徐々に口内全体のバランスが崩れて下記のようなさまざまな問題が起こる可能性があります。
- 残っている歯に負担がかかり、残った歯の寿命が縮まります。
- 抜けた歯の両隣が傾いたり、噛み合っていた反対の歯が伸びたりするなど、歯並び・噛み合わせが大幅に乱れます。矯正治療の必要が出ることがあるほか、顎関節症を引き起こす原因となります。
- 歯槽骨が痩せて歯肉が下がってきます。
- 咀嚼(そしゃく)機能(咬合能力)が低下して胃腸に負担がかかります。
- 顔の輪郭が変わり、シワやたるみなどが目立つようになります。
- 歯の数が少ない人ほど認知症になりやすいといわれています。
インプラントによる治療のメリット・デメリット
インプラントによる治療は失った歯を取り戻す、効果的な治療方法です。しかし、メリットだけでなくデメリットもあります。
入れ歯やブリッジとの大きな違いは、顎骨にインプラントを埋め入れる「外科手術」を行なうことです。歯根の代わりとなるインプラントは顎骨と強固に結合し、自分の歯のように使用できます。
メリット
インプラントによる治療の最大のメリットは、顎の骨としっかり結合したインプラントの上に人工歯を固定することです。残りの歯や歯肉で人工歯を支えるのではなく、その下の骨から支えるので安定感に優れています。隣の歯に留め金をかけて固定したり、自分の歯を削ったりすることもないので、残っている歯に負担をかけません。そのほか、インプラントによる治療には以下のようなメリットがあります。
- 強く噛める
- 左右でバランスよく噛める
- 食べ物の食感を楽しめて、おいしく味わえる
- 取り外す煩わしさがない
- 隣の歯を削らずに済む
- 自分の歯に負担がかからず、歯が長持ちする
- 発音がはっきりするので会話を楽しめる
- 人工歯自体は虫歯にならない
- 自然で美しい口元に仕上がる
- 笑顔に自信がもてる
デメリット
インプラントによる治療には多くのメリットがありますが、当然デメリットもあります。最大のデメリットは、外科手術が必要になるので患者さまの肉体的、精神的負担が大きいということです。治療は95%ほどの高確率で成功するといわれていますが、100%ではないので失敗する可能性もあります。そのほか、インプラントによる治療には以下のようなデメリットがあります。
- 外科治療となるので、痛みや腫れ、出血、合併症などの可能性がある
- インプラントを埋め込む顎骨に充分な高さや厚み、量がないと、治療が難しくなることがある
- 骨とは強く結合するが粘膜とはあまり強く結合しないので、天然の歯よりも感染に弱く、噛む感覚が自分の歯と異なる
- ほかの歯を失って入れ歯にする場合、インプラントの人工歯に留め金をかけるとインプラントにダメージを与えるため、入れ歯の種類が制限されることがある
- 状況により見た目が自分の歯と異なることがある
- 治療期間が長くなる
- 治療費が高額になる
- 治療後のメインテナンスを継続しないと、長期間使えなくなる
ほかの治療との違い

入れ歯
入れ歯は、歯肉に似せた床(しょう)という台の上に人工歯を付けたものです。部分入れ歯の場合は金具を天然歯に引っ掛けて固定します。インプラントやブリッジとは違い、ご自身で取り外しが可能となっています。
保険診療でも治療を受けられるので価格を低く抑えられるというメリットがありますが、おしゃべりしているときに金具が見えてしまいます。また、安定性に欠けるため強く噛むことができません。

ブリッジ
連結した人工歯を被せる治療です。患部の両隣に残っている天然歯にブリッジを被せて固定し、歯を失った部分に人工歯が乗るようにします。保険診療で治療ができるので価格を抑えられ、強く噛むこともできます。
ただし、固定源となる健康な歯をたくさん削らなければなりません。噛んだときの負荷も大きく歯へのダメージが想定され、天然歯が割れてしまうおそれもあります。

インプラントによる治療
人工歯根であるインプラントを、歯を失った顎骨に埋め込みます。これに人工歯をつなげてしっかり固定するという治療方法です。残っている天然歯に負担をかけず、インプラントによってしっかり噛めます。お口全体の健康を維持することにもつながります。また、見た目も自然で口元を気にせずに過ごせます。
入れ歯やブリッジと異なり自費診療となるため、価格が高くなります。また、治療期間も長くなります。
・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
・高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
・手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
・手術後、歯肉・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
・手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気などの副作用が現れることがあります。
・手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
・インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯肉の状態、噛み合わせ、歯磨きの技術、メインテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
・毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯肉の腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。